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田辺の出立王子を発ち、会津川に沿っていくつかの王子を過ぎて中辺路を進んでいくと、やがて富田川(岩田川)の河畔にある稲葉根王子に着く。水垢離場があり、巡礼者は川の水で身を清めた。 |
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1.滝尻王子は王子のなかでももっとも社格が高く、上皇らはここで歌会や神楽を奉納したという。熊野古道中辺路はいよいよここから難路、険路となる。王子社の裏から一気に尾根まで登る狭く急な坂道は、右に左につづら折りに伸びる。 |
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道の途中に横たわる巨石は山岳修験者たちが再生の儀式に用いたと伝えられる「胎内くぐり」の岩窟。 |
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2.不寝王子跡を過ぎるあたりまでは、急な長い登り坂がつづく。 |
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3.山から山へと尾根道を辿っていくと、高原地帯に出る。ここには古くから集落があり、その氏神が高原熊野神社。境内には楠の大木があり、社殿は室町時代の建築様式を伝え、街道筋でもっとも古い神社建造物。高原霧の里の棚田の向こうには、果無山脈の峰々が連なる。 |
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4.大門王子、十丈王子を過ぎると再び急な坂の登りがつづく。坂が急なゆえに大坂本の名がつく大坂本王子を過ぎると、森閑とした森の中に牛馬に跨がった童子の石像が祀られている。「牛馬童子」は熊野古道のシンボルで、一説では花山法皇の道中の姿だといわれている。 |
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5.継桜王子は「野中の一方杉」で知られ、境内には樹齢1000年を過ぎた杉の巨木が何本も聳え、その巨木には神威を感じる。神仏分離令の際、伐採されようとした巨木を守ったのが南方熊楠であった。 |
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