郷土の旬をいただく 丹後ばらずし

 見た目にも華やかな「丹後ばらずし」は、京都府北部丹後地方に古くから伝わる郷土料理だ。「まつぶた寿司」とも呼ばれ、祭りや田植え、結婚式など祝いの席で振る舞われる「ごっつぉう」(ご馳走)だ。丹後ばらずしの歴史は定かではないが、西日本でおなじみのちらし寿司とは異なり、その特徴は「まつぶた」に酢飯を重ね、鯖のおぼろを用いる。

 「まつぶた」とは餅を入れる細長く浅い木箱のことで、網野町の創業80余年の「とり松」では、その木箱に酢飯を敷き、その上に甘辛く煮た鯖のおぼろを敷く。再び酢飯を重ね、かまぼこ、しいたけ、紅しょうが、かんぴょう、グリーンピース、錦糸卵など色とりどりの具材をふんだんに散りばめる。いかにもおめでたい家庭料理だ。最後に、完成した丹後ばらずしを木製のへらで四角に切り分け、小皿に盛っていただく。

【作り方】

  • 1. 米は洗い水に30分浸け、昆布を入れて炊く。
  • 2. 炊けたご飯を15分蒸らし、合わせ酢を混ぜる。
  • 3. さば缶詰の汁気を切り、ほぐして火加減に注意して炒り、水分が少なくなると砂糖・醤油で味付けし、おぼろにする。干ししいたけはぬるま湯で戻し細かく切り、戻し汁、砂糖、醤油を入れて煮る。かまぼこはいちょう切りなどに細かく切り、酢に通す。卵は砂糖、塩を入れ薄焼きにし、細く切って錦糸卵にする。紅しょうがは細かく切る。
  • 4. ごぼうはささがきにして水にさらし、だし汁、砂糖、醤油で煮る。にんじんは細かく切り、だし汁、砂糖、濃口醤油で煮る。
  • 5. まつぶたに寿司飯を器に敷き詰め、その上に鯖のおぼろを振りかけ、再び寿司飯を敷き詰め、鯖のおぼろを振りかけ、2重に仕上げる。
  • 6. 寿司飯の上におぼろをふりかけ、錦糸卵をのせ、しいたけ・紅しょうが・かまぼこ・グリンピースを飾りつけて完成。
  • ※おぼろの仕上げに、卵1個をよく溶いて勢いよく混ぜると、パラパラとしたおぼろになりやすい。
  • ※まつぶたは、四角いタッパーウェアなどでも代用できる。

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