ハレの日の食膳 桜餅

道明寺粉を使った関西風の桜餅。

薄い皮で餡を包んだ関東風の桜餅。

 春の訪れを感じさせる「桜餅」は、春の季語としても知られる。桜餅は淡いピンク色の餡餅[あんもち]を塩漬けした桜の葉で包んだ餅菓子で、ほんのりと上品な香りがする。

 その桜餅には関西風と関東風の2種類がある。関西風の桜餅は「道明寺[どうみょうじ]桜餅」と呼び、材料に道明寺粉が使用されている。道明寺粉は餅米を粗めに砕いたもので、皮の表面につぶつぶとした米の食感が残るのが特徴だ。1000年以上前に真言宗の尼寺「道明寺」で作られていた、糯米[もちごめ]を蒸して日に干した保存食「道明寺糒[ほしい]」が元になっているという。

 一方の関東では、主に小麦粉が利用されている。また、形状も異なり関西風は饅頭状の餅を桜の葉で包むのに対し、関東風では薄い皮で餡を包んだものを葉で巻いている。桜の葉を一緒に食べるかどうかの決まりは特になく、好みで分かれるという。

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