|
|
車窓の東には、優雅な姿の三輪山が間近に迫っている。三輪駅を降りるとすぐ、大神[おおみわ]神社への参道だ。山全体が古代から信仰の対象で、その神域を日本最古の道といわれる山の辺の道が南北に続いている。現在の山の辺の道は、天理駅の東にある石上神宮の境内から、青垣の山の麓を辿って桜井駅までおよそ16kmのコースだ。 |
|
|
奈良盆地東の山裾を縫うように走る山の辺の道は、明るく開放的な風景が続く。また、道沿いのいたる所に万葉の歌碑があり、古代へと思いが駆り立てられる。 |
|
|
桧原神社近くにある倭建命の歌「大和は 国のまほろば たたなづく 青垣 山ごもれる 大和し美し」の歌碑。 |
|
|
山の辺の道から西方、箸墓古墳を望む。その後方に見えるのは雄岳、雌岳の2つの頂きを持つ二上山。 |
|
|
日本最古の神社といわれる大神神社は、三輪山そのものを御神体とするため拝殿はあるが本殿は持たない。 |
|
|
古来から聖なる山、神の山として崇められた三輪山。三輪駅を出るとすぐに大神神社の参道となる。 |
|
桜井は古代、日本の交易の中心地だった。ここを中心に道は東西南北に続き、物資や情報が集まった。仏教伝来の地であり、大陸や朝鮮半島から盛んに人が往来し、さまざまな文化や技術をもたらした。そうして開かれた歴史が6世紀から8世紀におよぶ飛鳥時代。明日香村は全域が明日香特別措置法によって保存・管理されており、足を踏み入れると風景はたちまち古代へと溯る。そこは日本の国家の基礎と文化が形成された舞台だった。 |
|