Blue Signal
March 2008 vol.117 
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探訪 鉄道遺産 最初の純国産大型電気機関車 EF52形電気機関車〈交通科学博物館〉
 「EF52形電気機関車」は1928(昭和3)年に誕生した最初の国産大型電気機関車だ。

 鉄道網が急速に発展した大正時代、石炭の消費量の急増などから幹線の電化を急がなければならないと、1925(大正14)年に東海道本線などの一部区間が電化された。当時は電気機関車を日本国内で製造することができなかったため、欧米から多くの電気機関車が輸入された。しかし、技術的な問題点が多く、保守にも問題があった。機関車の国産化の機運も高まり、統一規格の国産電気機関車を製造しようと誕生したのが「EF52形電気機関車」だ。輸入機関車を参考にしながら、鉄道省と民間会社4社が協力して共同設計・開発したもので9両が製造され、以後の国産電気機関車の基礎となった。

 EF52形は東海道本線や阪和線で活躍し、1973(昭和48)年まで走りつづけた1号機が往時の古武士のようなその姿のまま、交通科学博物館に保存展示されている。

【アクセス】大阪環状線「弁天町駅」下車すぐ
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