Blue Signal
January 2008 vol.116 
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探訪 鉄道遺産
探訪 鉄道遺産 鉄道発展に貢献した、国産初の量産型蒸気機関車。230形233号タンク式蒸気機関車〈交通科学博物館〉
 日本の鉄道は1872(明治5)年、イギリスを手本に開業した。当初は機関車などすべてが輸入されていたが、やがて日本の鉄道技術が発展していくに従い、国内で蒸気機関車も製造されるようになった。「230形タンク式蒸気機関車」は、国産初の量産型蒸気機関車として製造されたものである。

 「230形タンク式蒸気機関車」は、1902(明治35)年から1909(明治42)年にかけて、大阪汽車製造合資会社が製造したもので、短距離用として大量に輸入されていた英国式A8形にならい、日本人の体格を考慮した設計がされた。部品の一部はまだ輸入に頼っていたが、安定した性能と保守管理の容易さから高い評価を受け、国産機関車の量産化につながった。

 交通科学博物館に展示されている233号機は2004(平成16)年に鉄道記念物に、2007(平成19)年には日本機械学会が選定する機械遺産に認定され、現存する最古の国産機関車として貴重な姿を見せている。

【アクセス】大阪環状線「弁天町駅」下車すぐ
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