Blue Signal
September 2006 vol.108 
特集
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出会いの旅
うたびとの歳時記
鉄道に生きる
花に会う緑を巡る
花に会う 緑を巡る 夏祭りに色を添えるノウゼンカズラ 勝鬘院[しょうまんいん]・愛染堂[あいぜんどう]〈大阪市〉 イメージ
山口県下関市豊浦町川棚の丘に「川棚のクスの森」と呼ばれる巨樹がある。鹿児島県の「蒲生のクス」、徳島県の「加茂の大クス」とならび、日本三大楠樹といわれる樹だ。四方に延びた18本の枝は青々と茂り、遠目に見るとその名のとおり森のように見える。山口県出身の漂泊の俳人・種田山頭火はこの樹を眺めて、「大楠の枝から枝へ青嵐」と詠んだ。

クスノキは成長が早く、幹の太さがひと抱え以上になるものが多いことから、神木として崇められている巨樹が多い。樹齢千年を超えるといわれる、このクスノキもそんな樹のひとつだ。戦国時代にはこの地に大内義隆の愛馬を祀ったと伝えられ、「霊馬の森」とも呼ばれている。
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