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三原市の南西部、急峻[きゅうしゅん]に聳[そび]え、山頂に釈迦三尊などの磨崖仏がある白滝山(350m)、黒滝山(270m)からはまた趣の異なる瀬戸内海の美しさが見られる。島々を眼下にはるか四国の石鎚山系、目を転じると中国山地の山並み…。360度視界を遮[さえぎ]るものがなく、目の前の景色を独り占めしているような贅沢な気持ちになる。

白滝山の頂き近くには天平時代の高僧、行基が開祖したと伝わる禅宗の名刹「龍泉寺」がある。寺に来て8年になるグレン・グリフィンさんは米ペンシルバニア州出身の禅僧で、眼下に広がる素晴らしい瀬戸内海の風景を眺めながら修業に励んでいる。昨年日本に帰化し、現在は竹田道育[どういく]を名乗る。麓の町の人気者で日本語も流暢な道育さんは眼下に見渡す風景を「この景色は天上のものです。こんな美しい風景と一緒に暮らせるのはこの上もない贅沢ですよ」と、そう呟いて小さくウィンクした。

この三原の大きな自然は、何ものにもまさる、かけがえのない財産である。 |
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白滝山より眺める瀬戸内海。雄大なしまなみ街道のパノラマが広がる。 |
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白滝山の山頂の巨大な花こう岩には釈迦三尊などのレリーフがある。ここからの眺めは、瀬戸内海や四国連山、中国山地まで360度ぐるりと見渡せる。 |
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小早川家代々の居城の城門を移築した桃山風の重厚で豪壮な構えの宗光寺の山門は国の重要文化財。 |
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米山寺[べいさんじ]は小早川家の菩提寺で、初代小早川実平から小早川隆景までの墓が整然と並んでいる。県の貴重な文化遺産。 |
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白滝山の山頂には高僧行基が開祖したと伝えられる龍泉寺がある。日本に帰化して竹田道育と名乗るアメリカ人のグレンさんは、この寺の禅僧。 |
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三原の町をゆったりと流れる沼田川。その流れはやがて瀬戸内海にそそがれる。 |
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