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総合職採用

事務・創造

デジタルソリューション本部WETSER‐W事業部 課長​ 内田 修二 2002年 入社

Career Step

  1. 2002年福知山支社 豊岡鉄道部(豊岡駅) 管理係
  2. 2004年福知山支社 福知山運転所 運転士
  3. 2004年福知山支社企画業務課(営業)
  4. 2008年総合企画本部(運輸調査)
  5. 2013年総合企画本部(経営企画)
  6. 2015年鉄道本部 技術企画部(海外PT) 課長代理
  7. 2016年日系商社ブラジル現地法人 出向
  8. 2019年鉄道本部 技術企画部(技術収益化PT)兼オープンイノベーション室 担当課長
  9. 2019年総合企画本部MaaS推進部 課長
  10. 2020年デジタルソリューション本部 課長
  11. 2023年デジタルソリューション本部WETSER‐W事業部 課長​

安全と会社の成長の両立を追求。
信念をもって変革に挑む

福知山支社企画業務課(営業)

所属していた福知山支社は、カニや温泉のシーズンである冬季が書き入れ時でした。例年、臨時列車を増発し、京阪神からたくさんのお客様を迎えていました。しかし2005年春の福知山線列車事故以来、安全なダイヤを再構築すべく臨時列車の増発は全て一旦白紙に。支社の営業戦略を担当していた私は、限られた輸送力の中でどうやって効率的にお客様にご利用機会を提供するかについて、同僚と知恵を絞る日々でした。そんななかで浮かび上がったのが、かにカニ日帰り駅プランの福知山発着の商品を自由席タイプのみにするというアイデアでした。この方法により、京阪神エリアのお客様により多くの販売機会を提供することができます。ただ福知山支社内のお客様に目を向けると、座れるかどうか分からない不安から販売機会が逆に減少する可能性もありました。そのため、社内からは反対の声も上がりました。鉄道会社にとって安全は最優先のテーマです。しかし、しっかりと収益をあげて会社を成長させないことには、安全な鉄道サービスを維持することはできません。2つのテーマの両立こそが重要だと考え、そのために打つべき施策は、支社内だけの利益ではなく会社全体での利益を重視することだという信念がありました。また、鉄道を利用して冬の福知山支社エリアを訪れたいと思ってくれているお客様がいるのに、それに応えないことは企業として正しい判断なのだろうかという気持ちもありました。これらの思いを胸に、過去の自由席の利用状況といったデータも用いながら社内で説得を重ね、新しい施策は導入に至りました。結果、座席の有効活用と現地への送客規模低下の歯止めを実現。さらにその後、それでも不足する座席数を補うために、データから導かれる仮説に基づいて試験的に臨時列車を再設定するという改革へとつながっていきました。安全と成長の両立をはじめ、会社にはさまざまな難しいテーマがあります。それらに対して強い信念を持って取り組めば、やり遂げることができるのです。そのような自信を得ることができた体験でした。

成長を支えたもの

所属部署や担当する業務を問わず、仕事を任せてくれる上司や先輩、同僚と出会えたことが成長の原動力になったように思います。その経験もあって、プロジェクトをまとめる立場にある今は、部下に仕事をまず任せるようにしています。気持ちとしては、私は“アドバイザー”です。部下が監督として、それぞれに受け持つ業務で存分に力を発揮してもらいたいと考えています。私は学生時代までずっとサッカーをしていました。プロ選手を夢見たこともあったのですが、それは叶いませんでした。振り返ると、「もっと自分に厳しく追い込んでやりきっていれば」と思うこともあります。仕事に対しては、「あのときと同じ思いはもうしたくない、今度はやりきりたい」という思いを持って取り組んでいます。

現地の鉄道会社に日本の技術・ノウハウを提案。
相手を理解することの大切さを実感する

日系商社ブラジル現地法人 出向

2015年から海外プロジェクトを担当するようになり、ブラジルの鉄道会社への経営参画に向けたデューデリジェンス(事前調査)に携わりました。その後、経営参画が決定すると、日系商社のブラジル現地法人に出向。鉄道技術やノウハウを現地鉄道会社に提供することで経営を改善し、企業価値を上げるという役割を受け持ちました。当社は、鉄道サービスに関するさまざまな最先端の技術やノウハウを保有しています。それらを提案したところ、「すばらしい」とは言ってくれるのですが、採用には至りません。そのような経験が続くなかでも粘り強く現地社員とコミュニケーションを深めていったところ、現地企業の歴史や文化、経営状況を理解せずに、自分たちの視点だけで提案をしていたことに気づかされました。そこで方針を変更し、決して最先端ではないもののコストやオペレーションなどの面から現地の実情に即したプランを提案。すると、「やっと当社にフィットする提案をしてくれた。ありがとう」という評価をいただけました。そして、その後の強固な信頼関係へとつながっていきました。この経験を通して、「相手への理解」こそがビジネスの根本だと学びました。また、それを備えていれば、海外でも通用するビジネスパーソンになれることを知りました。商社の一員として活動したことは、「JR西日本はとてもドメスティックな会社だけども、会社で得たこれまでの経験は全く無ではなく、自分も社会に通用するビジネスパーソンとしてもっとやれそうだ」という自信を与えてくれることにもなりました。

私の地域への取り組み

WESTERは機能を日々拡充することにより、自治体や社外の皆様とも共同して、さまざまな地域でスタンプラリーなどのキャンペーンを行えるようになってきました。それをきっかけにして地域の魅力を発信したり、たくさんの人がその地域を回遊したりすることで地域が活性化することが、今の仕事を通した地域への貢献と言えます。JR西日本エリア内には、人口減少をはじめとしたさまざまな課題に悩んでいる地域があります。WESTERを通じて得られる豊富で多彩なデータを地域の皆様と一緒に活用しながら地域のニーズにあった新たなサービスを産み出し、それを通じて地域社会の課題解決に貢献していきたいです。

DXの起爆剤としてMaaSアプリを開発。
ダウンロード数1位を記録

総合企画本部MaaS推進部

現在、グループ全体のデジタル戦略を取りまとめるプロジェクトを担当しています。デジタル戦略を考えるうえで、MaaS(Mobility as a Service)アプリはお客様とのデジタル接点として極めて重要な意味を持ちます。そこで、MaaSアプリ「WESTER」の開発・運用も受け持っています。現在でこそ多くの方にご利用いただいているWESTERですが、開発の道のりは平坦ではありませんでした。私は、MaaSに取り組むにはまず、日常の生活者をターゲットとするアプリが必要だと考えました。当初はなかなか周囲の理解を得られなかったのですが、粘り強い説得を経て了承を取り付け、開発を開始。ところが完成したテストアプリは、「これがMaaSか」と厳しい評価をいただきました。それでもプロジェクトメンバーはあきらめず、改良に取り組みました。社内外のニーズ把握にも注力し、たどり着いたのが「コロナ禍の新常態をサポートするアプリ」という、現在のWESTERのコンセプトです。おかげさまで反響はとても大きく、社長が会見でローンチを発表した日には、ナビゲーション部門でダウンロード数1位を記録しました。MaaSは「複数の交通機関を結び付けてひとつのサービスのようにすること」と説明されがちです。「便利な検索、予約システム」と解釈されることもあります。しかし私は、MaaSは顧客体験、鉄道システム、従業員体験を再構築する可能性を秘めていると考えています。鉄道会社におけるDXの起爆剤とも言えます。鉄道会社を取り巻く環境が変化していくなかで、どうやって駅や鉄道へ人を導くのか、どうすれば高品質な鉄道サービスを維持していけるのか。お客様にとってMaaSとは何かと深く悩み、考えることでそのヒントが得られますし、解決策をMaaSを通じて生み出すこともできるのです。今後の鉄道会社のあり方を示していくとも言える現在の仕事に、非常に大きなやりがいを感じています。