ふるさとの玩具

麒麟獅子 【鳥取県鳥取市】

 鳥取県東部、因幡地方と呼ばれる地域には「麒麟獅子舞」という神事芸能が伝わる。獅子頭が、中国の伝説上の聖獣・麒麟の頭となっており、額には1本の角、両耳は直立し、竜に似た顔をしている。神事では先導役として猩猩[しょうじょう]がつく。猩猩は同じく中国の伝説上の動物で、人の言葉を理解し酒を好み、日本では顔面、衣装、手にする六尺棒も全て朱色である。

 現在では、鳥取市を中心とした各神社の祭礼や、ところによっては婚礼でも舞われる。鳥取市にある中山工芸では、貴重なこの伝統芸能を守るため獅子頭の復元や修理を行い、贈答品や土産物として置物や壁掛けを制作している。置物の獅子頭はどことなくユーモラスな表情で、隣には猩猩を表した朱色の六尺棒に顔と瓢箪徳利が付く。

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