旅のみやげもの 明珍火箸の工房がある野里地区は、伝統的な町家が数多く残る。

兵庫県姫路市 明珍火箸

 姫路市の代表的な伝統工芸品である「明珍火箸」。その長く響く余韻と澄んだ音色は、世界的なシンセサイザー奏者の冨田勲やスティービー・ワンダーなどの音楽家から高く評価されているほか、音響メーカーの音質検査などにも用いられている。

 この明珍火箸は、平安時代から甲冑師として名を馳せた明珍家でつくられているもので、現在の当主・明珍宗理氏は52代目にあたる。
明治維新とともに武士の世が終わり、甲冑が不要となったことから火箸づくり専業となったそうだ。しかし戦後、ストーブの普及で火箸の需要も減る。そこで宗理氏が新しい製品として考え出したのが、火箸を利用した風鈴だった。
風が吹くと真ん中の振り子が揺れて鉄製の4本の火箸に触れ、鈴虫の音色のような音を響かせる。一つひとつ全て手作業で、鉄を焼き、打つことを繰り返してつくられており、明珍家に伝わる焼き加減と打ち加減がこの音を生み出している。

ページトップに戻る
ローカルナビゲーションをとばしてフッターへ