山茶花は一重や八重、千重(ちえ)など花の形も変化に富む。椿の中国名「山茶花(さんさか)」が誤記により「茶山花(ささんか)」になり、それが訛って「さざんか」になったともいわれる。
(写真提供:西明寺)
西明寺の本堂と三重塔はともに国宝。本堂には重要文化財のご本尊 薬師如来立像をはじめ、二大天王や十二神将などの仏像が安置される。(写真提供:西明寺)
【アクセス】河瀬駅より乗合タクシーで約15分(要予約)
秋が深まり冬の訪れを感じる晩秋から、花が乏しくなる初冬の12月頃まで、色鮮やかに咲き誇るのが山茶花だ。日本の固有種で、一見すると椿と見間違えるが、椿の散り際は一つの花全体が落下し、山茶花は花びらが一枚ずつ散るのが特徴。花言葉は「困難に打ち勝つ」「ひたむきさ」。
滋賀県琵琶湖の東部地域、鈴鹿山脈の山腹に位置する西明寺は、湖東三山[ことうさんざん]の一つで歴史ある名刹だ。平安時代の初期に、仁明[にんみょう]天皇の勅願により開創された。国宝第一号に指定された本堂は鎌倉時代の代表的な建造物で三重塔も国宝。境内には、10月下旬から12月まで50本ほどの紅色や桃色、白色などの色彩華やかな山茶花が咲く。また、本坊庭園では、毎年11月には天然記念物指定の「不断桜[ふだんざくら]」が満開となり、境内の千本を超えるモミジの紅葉と同時に楽しめる。西明寺は「日本の古寺100選」に選ばれているほか、米国CNN「日本の最も美しい場所31選」にも滋賀県で唯一選ばれた観光名所でもある。
花びらが一枚ずつ散る山茶花は、散り際も美しい。
(写真提供:西明寺)























