旅情を誘う 〜花々日和〜 蓮 藤原宮跡花園「蓮ゾーン」《奈良県橿原市》

蓮の花の色はピンク、白、黄色などがあり、花の咲き方は一重咲き、八重咲き、千重咲きなど。種類にもよるが、水中の茎はレンコンと呼ばれ食用になる。
(写真提供:橿原市)

藤原宮跡花園の「蓮ゾーン」。大極殿跡の南東に広がる約3,000平方メートルの区域に、数々の種類の蓮の花を見ることができる。開花時期は7月中旬頃から8月上旬頃まで。
(写真提供:橿原市)
【アクセス】桜井線「畝傍駅」より徒歩約2分の「橿原市役所前」からコミュニティバスで「橿原市藤原京資料室前」下車 徒歩約10分

 高貴で清廉な花を咲かせる蓮。「蓮は泥より出でて泥に染まらず」とは釈迦[しゃか]の言葉ともされ、「泥(困難や悲しみ)があるからこそ、そこから立ち上がった後には清らかな大輪の花(人生)がある」という意味だ。仏像の台座は蓮華座[れんげざ]と呼ばれ、蓮は仏教では特に神聖な花とされる。

 蓮はインドなどアジア地域が原産の水生植物で、花が散った後に種ができる果托[かたく]の姿が蜂の巣に似ていることから、日本では古くはハチスと呼ばれていた。それが後に変化してハスと呼ばれるようになった。花言葉は「神聖」「沈着」などで、白色は「清らかな心」、ピンク色は「信頼」。

 奈良県橿原市にある飛鳥時代の宮殿跡である藤原宮跡の一角には、広大な「蓮ゾーン」が設けられ、唐招提寺蓮や法華寺蓮、中国古代蓮など11種類の蓮が生育する。蓮の花は、日の出とともに開花し、昼頃には蕾[つぼみ]の状態に閉じてしまう。畝傍山[うねびやま]など大和三山を背景に、水面から空に向かって伸びる蓮の花々は、清楚で涼やかな気持ちにさせてくれる。

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