郷土の旬をいただく 美酒鍋

 「美酒鍋」で、「びしょなべ」と読む。東広島市の“酒都”西条で誕生した郷土料理だ。昭和30年代に、賀茂鶴酒造の当時の役員が、力仕事で“びしょびしょ”に汗を流した蔵人のために考案したことに始まるという。

 特徴は日本酒、塩、胡椒以外の調味料を一切使わない。それは蔵人が作業の合間に食べても、利き酒に影響を出さないためで、極めてシンプルなあっさり味の寄せ鍋だ。

 具材は豚肉や鶏肉と、白菜や人参、たまねぎなどの野菜類で、地元の日本酒をふんだんに注いだ鍋の中に投入し、塩と胡椒で味を整えれば完成だ。

 また、美酒鍋のスープは加熱によってアルコール成分がとび、酒が苦手な人や子どもでも食べられる。日本酒と美酒鍋との相性も抜群だ。

【作り方】

  • 1. 鍋に油をひき、ニンニクを入れて弱火で加熱。そこに豚肉や鶏肉を入れ、塩と胡椒で炒める。
  • 2. ひと口大に切った野菜を加え、白菜で蓋をするように入れ、再び塩と胡椒で炒める。
  • 3. 日本酒を具材が浸らない程度に注ぎ、強火で煮る。
  • 4. 野菜がしんなりすれば、できあがり。好みで溶きたまごにつけて食べるのもいい。

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