郷土の旬をいただく じぶ煮

 「じぶ煮」は、冬の金沢を代表する鴨肉を使った郷土料理だ。その調理方法は、安土桃山時代にキリシタン大名の高山右近とポルトガル宣教師によって金沢に伝承されたのだとか。

 「じぶ煮」の名前の由来は諸説ある。豊臣秀吉の兵糧奉行として従事した岡部治部右衛門が朝鮮から伝えたという人名説や、具材を煮た時の音が“じぶじぶ”と聞こえるからなどその理由は定かではない。

 調理時間は約10分。加賀藩の料理人が考案したすだれ麩や青菜を下茹でし、鰹と昆布のだし汁に醤油やみりんなどの調味料を加えて、椎茸と一緒に煮る。続いて、小麦粉をまぶした鴨肉を鍋に入れる。煮汁にとろみをつけ、華やかな蒔絵のあしらわれたじぶ椀に煮汁ごと移す。青菜を添え、最後にわさびを盛れば完成だ。

 また、近年は高価な真鴨ではなく、鶏肉や合鴨などで調理するのが一般的だという。

【作り方】

  • 1. 鴨肉は一口大に薄くそぎ切りし、小麦粉をまぶしておく。すだれ麩は食べやすく切り、茹でておく。生椎茸には飾り包丁を、青菜は茹でて3cmほどに切る。
  • 2. 鍋に濃口醤油、みりん、酒、砂糖、だし汁、具材を入れて煮る。
  • 3. 続いて、鴨肉を鍋に入れ、ミディアムの状態になるよう火を通す。
  • 4. 鍋からじぶ椀に移し、青菜を添える。
  • 5. 煮汁に水溶きの小麦粉でとろみをつけ、具材を盛ったじぶ煮にかける。最後に、わさびを天盛りして完成。
  • (調理協力/青木クッキングスクール)

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