ふるさとの玩具

加賀八幡起上り【石川県金沢市】

 加賀百万石・金沢は、歴史に積み重ねられた工芸品が多く継承され、簡素で上品、そして優雅さを兼ね備えている。「加賀八幡起上り」もその一つで、その起源は一説によると、その昔、加賀に一国一社の八幡宮が鎮座していた頃、その社前に住む翁が、八幡神(祭神:応神天皇)の誕生の時に真紅の錦で包んだという産着姿になぞらえて、子どもたちの育成と多幸を祈って「加賀八幡起上り」を作り与えたことに始まるという。

 金沢市尾張町にある「中島めんや」は、150年の歴史を持ち、加賀人形や加賀獅子頭などを作っている。加賀八幡起上りは、型に和紙を張りつけ、胡粉、朱を塗り、産着の部分に松竹梅の絵柄が描かれる。1955(昭和30)年の年賀記念切手の図案にもなり、昔ながらの技法で今も伝統の形と色彩で作り続けられる加賀八幡起上りは、国内だけでなく海外でも人気の工芸品であり郷土玩具だ。

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