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大阪市の中心部を円で囲むように走る大阪環状線。天王寺駅はその南の起点であり、和歌山や奈良とも通じる。そんな大阪南部のターミナル駅周辺は、大阪駅周辺のちょっと気取った「キタ」とは異なる、人なつっこくて誰にでも気さくな“普段着”の大阪を肌で感じられる街である。

人でごった返す駅構内の空気も、どこか大衆的で親し気だ。立ち止まって地図を広げていると、おばあちゃんが「どこ行くの?…それやったらあっちやで」と気軽に声をかけてくる。わざわざ駅の外に案内してくれ、「ほらあそこ!」と、指さす向こうには通天閣が聳えていた。

駅からだと、目の高さあたりに通天閣の展望台が見える。駅は台地上にあり市街地を見渡せるほどに標高差がある。とくに夕焼け時の眺めは格別だ。通天閣と大阪の街が夕陽に染まった光景は「胸がきゅんとするで。ほんまええ景色やさかい」とおばあちゃん。

駅前から北に歩くと10数分で四天王寺へ。通天閣へは大通りを西に渡り天王寺公園に入って、大阪市立美術館や天王寺動物園の傍を通り、ゆるゆると長い坂を下りたところにある。 |
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通天閣と対面するように建つ天王寺駅。大阪環状線ほか、奈良・和歌山とを結ぶ大和路線、阪和線の起点として大阪駅に次ぐ交通の拠点。駅周辺には流行のさまざまなショッピングビルやプレイスポットが数多く、大阪の若者文化を発信しつづけている。 |
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沈む夕陽に赤く染まる天王寺の街は美しく、どことなくセンチメンタルだ。 |
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大阪のシンボルである通天閣は、パリのエッフェル塔と凱旋門を足して1つに模したものだ。 |
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天王寺公園一帯は元は住友家の本邸のあったところで、住友家の庭であった慶沢園はそのまま公園内の庭園として公開されている。広大な和風庭園は都会のオアシスとして訪れる人の心を癒している。 |
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天王寺公園内にある大阪市立美術館は、東洋と日本美術のコレクションを中心とし、中国絵画・陶磁・漆工・仏教美術、さらに近代絵画…大阪出身の洋画家、佐伯祐三コレクションを含め約800点の収蔵品をほこる日本でも有数の美術館。 |
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天王寺駅の向かいにある天王寺公園は、市民の憩いの場として昔も今も大勢の市民に親しまれている。文化的香りのする公園と新世界とが隣接している混沌が面白い。 |