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ニュースリリース

2018年4月18日
経営関連

4月定例社長会見
1.最近の営業・輸送概況
2.福知山線列車事故追悼慰霊式の開催
3.広島地区への新保安システム(D-TAS)導入
4.VRを活用した安全教育プログラム

詳細

4月定例社長会見動画



1 最近の営業・輸送概況
【取扱収入】
 3月は、昨年度春分の日3連休の反動があるものの、月末を中心に多くのお客様にご利用いただいたことや、ゴールデンウィーク前半の前売り好調などにより、前年を上回っています。
 2017年度は、10月の台風21号や1、2月の雪害による輸送障害によりお客様にご迷惑をおかけしたものの、堅調な景気動向のもと、インバウンド利用増やネット・IC利用の促進、デスティネーションキャンペーンをはじめとした各種キャンペーンによるご利用促進により、各券種とも前年を上回りました。
 4月は、ゴールデンウィークの前売りが好調に推移しており、前年を上回っています。
 なお、定期が前年を下回っているのは、曜日配列による購入時期のズレと想定されます。
 取扱収入
 ※注釈: 駅などでの取扱高(消費税を含む)を示します。
 ※注釈: 直営の速報値です。(旅行会社発売分などを除く)

【ご利用状況】
 3月のご利用状況は、各線区ともに、昨年度春分の日3連休の反動により、中旬は低調に推移しました。
 山陽新幹線では、春分の日以降の春休み期間のご利用が好調で対前年101%と前年を上回ったものの、北陸新幹線同97%、在来線特急は強風による輸送障害の影響もあり同99%、アーバンネットワークは堅調に推移し同104%となりました。
 2017年度は、収入同様、堅調な景気動向のもと、山陽新幹線は対前年103%、北陸新幹線は3年目でご利用は減少したものの、冬季には雪害への強さを発揮し同99%、在来線特急はインバウンド需要の増により特急はるかが全体を牽引し同101%となりました。
 また、アーバンネットワークは年度を通じて堅調に推移し同102%となりました。
 4月は、各線区とも堅調な実績で推移しており、山陽新幹線対前年102%、北陸新幹線同100%、在来線特急同101%、アーバンネットワーク同104%で推移しています。
 ご利用状況
 ※注釈: 実績は速報値です。

2 福知山線列車事故 追悼慰霊式の開催
 当社が福知山線列車事故を惹き起こしてから13年となります。
 極めて重大で悲惨な事故を惹き起こした事につきまして、あらためまして、お亡くなりになられた方々に心より深くお詫び申し上げるとともに、ご冥福をお祈り申し上げます。
 また、ご遺族様、おけがをされたお客様とそのご家族の皆様に対しましても、心からお詫び申し上げます。

【追悼慰霊式の開催】
 本年も、4月25日に福知山線列車事故追悼慰霊式を開催します。
 「お亡くなりになられたお客様へのお詫びとともにご冥福をお祈りし、哀悼の意を捧げる場」として、これまでと同様、厳粛な気持ちで臨みたいと考えています。

【ご出席の予定】
 本年の追悼慰霊式には、4月18日時点で285名のご遺族様、262名のおけがをされた方にご出席をいただく予定です。
 ご遺族様やおけがをされた方々のほか、関係者の方々にご案内をさせていただいております。

3 広島地区への新保安システム(D‐TAS)導入
【はじめに】
 鉄道輸送のさらなる安全性、安定性の向上を目指すために2008年から開発を進めていました「新保安システム」の名称と、広島地区での使用開始時期が決定しましたのでお知らせします。
 システムの名称は、「データベースを用いた列車管理システム」という英語の頭文字から「D‐TAS※」と命名しました。

 ※Database oriented Train Administration System

 D‐TASは、地上から車上へ制御に必要な情報を発信する従来の地上主体のATSから、車上に搭載したデータベースの情報をもとに、車上側で自律的に制御する車上主体のATSとした、当社の在来線で初めての「データベースを用いた列車管理システム」です。
 特徴は2点あります。1点目はあらかじめ「信号機の位置」や「曲線や分岐器の位置と制限速度」の情報を車上データベースに登録し、列車は車輪の回転数で自分の列車位置を把握することにより、従来のATSと同様に、停止信号の手前に停止させたり、制限速度箇所までに列車速度を減速させたりすることです。
 2点目は、停止位置や計画徐行箇所などの情報を車上データベースに登録することにより、乗務員に対する運転支援機能の充実を図っていることです。

 新保安システム D‐TAS

【実現機能(停止位置に対する補助)】
 おもな運転支援機能を2つご紹介します。1つ目の運転支援機能は、「停止位置に対する補助」です。
 あらかじめ列車の停止位置目標を車上データベースに登録しておくことで、車両自身が停止位置目標に対して、連続的に速度チェックを行うことができ、停止位置目標を行き過ぎそうな場合には、自動的にブレーキをかけ大幅な停止位置のずれを防止します。大幅な停止位置のずれが生じた場合、お客様にご降車・ご乗車いただくために停止位置の修正が生じることから、列車のダイヤ乱れにつながりますので、列車の定時間運行、つまり列車運行の安定性確保に貢献できる機能であると考えています。

 停止位置に対する補助
【実現機能(計画徐行に対する防護)】
 2つ目は、工事などに伴う「計画徐行に対する防護」です。
 これは万が一、乗務員のブレーキ操作が遅れた場合に、徐行箇所まで自動的に減速させて安全を確保する機能です。これまでは工事などにより計画的な徐行が必要な場合、臨時にATS地上子を線路内に設置するなどして対応してきましたが、これをあらかじめ車上データベースに徐行情報として登録することで、徐行箇所まで自動的に減速させる機能のほかに、臨時にATS地上子を設置する線路内作業をなくすことができ、作業員の安全確保にも繋がると考えております。

 計画徐行に対する防護
【広島地区への新保安システム(D‐TAS)導入】
 このD‐TAS導入につきましては、約4年前の2014年6月に広島地区への新製車両227系の導入に合わせ、新保安システムの導入の準備を進めることをお知らせしていました。
 そしてこのたび、地上装置の整備や車両へのデータベース搭載の準備が整いましたので、来月の5月20日より山陽線西広島〜岩国駅間で使用開始します。引き続き地上装置の整備を進め、2019年春ごろを目標に白市(しらいち)〜西広島駅間に拡大導入する予定です。これらの投資額は、約45億円を見込んでいます。

 広島地区への新保安システム D‐TAS 導入

4 VR技術を活用した安全教育プログラムの導入
 
当社は福知山線列車事故の反省を踏まえ、これまで「安全性向上計画」「安全基本計画」「安全考動計画2017」を策定し、安全性の向上に向け、取り組みを進めてきました。
 その中で、「安全最優先の風土の構築」に向け、ヒューマンファクターの理解の浸透の取り組みを進めてきました。その結果、ヒューマンファクターに関する理解は進んできたものの、実践に結びつくまでの理解という点で課題がありました。
 そのような反省を踏まえ、この4月からスタートしております当社グループの安全に関わる5カ年計画「JR西日本グループ鉄道安全考動計画2022」を策定しました。今回お知らせする「VR技術を活用した安全教育プログラム」も、この計画の取り組みの一つです。具体的には、「安全を維持する鉄道システムの導入」におけるソフト対策の一つとして、実践的なヒューマンファクター教育を取り入れることにより、実践に結びつくヒューマンファクターの理解促進を目指したいと考えています。

 VR技術を活用した安全教育プログラムの導入

 このプログラムは、鉄道現場における労働災害を取り扱っています。「日常業務に潜む労働災害のワナ」を題材としており、労働災害に至るプロセスを、当事者として、あるいは第3者の立場として、擬似体感をさせることができるものです。
 労働災害の結果による恐怖感を煽るという点よりも、それに至るプロセス・過程を体感させることに重点を置いています。プログラムについては、鉄道の最前線で働くより多くの社員が、自分自身の業務において陥る可能性のある労働災害を体感できるよう、5つの系統別に2種類のパターンを用意しました。
 また、CGではなく「実写」の映像を使用することで、体感する社員が鉄道現場で作業などを行っているように感じさせるリアリティーを追求しています。実際の研修の際は、VRの特徴でもある、360度見渡せる空間に慣れるためのデモ動画を視聴した後、各プログラムをスタートすることとしています。
 本プログラムは、ソフトバンク株式会社様とともに、昨年夏ごろから半年ほどかけて製作してきたものです。
 5月以降、鉄道事業に従事する当社および当社グループの社員約35,000人が、当社の教育施設である社員研修センター内の「安全体感棟」において、本プログラムを体感する予定です。

 VR技術を活用した安全教育プログラムの導入


 最後に、昨年12月に新幹線の重大インシデントの発生以降、社員が異常を認めて新幹線の列車を停止させて車両点検を行った結果、一定以上の遅延や運休が発生してお客様にご迷惑をおかけした事象が、1月は3件、2月は7件、3月は3件、4月は5件、計18件発生しております。
 直近の事象についてはまだ調査中のものもありますが、3月までに発生した事象につきましては、その後の車両基地での詳細な調査の結果、「部品と部品が接触して異音が発生していた」など、いずれのケースも運行上に問題があるような異常ではなかったことを確認しています。
 これは、社員がリスクへの感度を高め、「安全が確認できないとき」は迷わず列車を止めることを実践している結果と受け止めています。
 お客様にはご迷惑をおかけいたしておりますが、何卒ご理解をたまわりたいと存じます。

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