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匠への道

技術を受け継ぐ旗手たち(第13回)

福知山保線区 綾部管理室 田里 亮人 さん

福知山保線区 綾部管理室 田里 亮人

 「後輩には、もっと勉強していろいろな知識を付けてほしいです。作業を行う前に、どんな場所でどんな作業を行うのかを予習していないと、現場で動けません。もっとも、これは入社当時の私に言ってやりたい言葉ですね」と、自身を省みながら後輩への思いを語るのは、福知山保線区綾部管理室の田里亮人だ。

田里亮人の経歴図

甘えを断ち切る先輩の一言

入社後は福崎鉄道部で管理係として保線業務に従事。当時は先輩社員が多く、何を聞いても誰かが教えてくれる状況だったという。田里は、そんな状況に「甘えていた」と自身を振り返った。一方で教え方は十人十色で、どれが正しいのか、何を信じればよいのか分からなかったという。そんな中、ある日先輩から「人に聞くばかりでは成長しない。まず自分で調べないと」と叱られた。この言葉で田里は、周囲に甘えてばかりで受け身な自身に気付き、仕事に対する考え方・姿勢が変わった。自分で調べることで仕事を深く知ることができ、徐々にできることが増え、段々と仕事が楽しくなっていった。

そうして田里は、入社2年目に初めて作業責任者として現場に出て、1つの作業を完遂した。「自分の計画をもとに現場で作業するわけですが、計算どおりに事が進むかとても緊張しました。無事に終えた時は本当にホッとしましたし、うれしかったです」と、当時の気持ちを鮮明に語ってくれた。

お客様に多大なるご迷惑をお掛けした失敗 大切なのは次に活かすこと

入社3年目、忘れられない失敗を経験する。その日は休日で、自分を含む当番者2名のみが勤務していた時、乗務を終えた運転士から「いつもよりも大きく揺れる箇所がある」と、同じ箇所で2回も報告が寄せられた。これはただ事ではないと、すぐに車で当該箇所を確認すると、レールをつなぐ継目板が破損していることが判明した。すぐに列車を抑止し復旧活動にあたったが、休日ということもあり体制が整うまで時間を要し、長時間列車を抑止することになりお客様に大変なご迷惑をお掛けする事態となった。

「破損した箇所は自分たちが巡回した箇所であり、申し訳ない気持ちでいっぱいでした」。これを受け、二度と同じ事象を発生させないよう職場で対策を検討した。例えば徒歩巡回時には、急曲線や山間部などの地形を考慮し観点を変えて線路状態を確認することで、これまで以上にきめ細かい設備管理を行うようになった。またベテラン社員から若手社員に対しては、大切にすべき観点などポイントを絞った技術継承を行っている。これらの取り組みにより、その後同種事象は発生していない。

命を守る日々のコミュニケーション

職場で田里が意識して取り組んでいるのが、積極的にコミュニケーションを取るということだ。田里がコミュニケーションにこだわる理由は、普段の仕事を進めやすくすることに加えて、仲間の命を守るためである。保線業務には決められたルールが存在し、そのルールから逸脱してしまうと、重大な事故につながりかねない。普段から何でも言える関係が築けていれば、いざと言う時に躊躇なく注意することができる。仕事を円滑に進めるためでもあるが、何よりも、安全に仕事をするために、田里は周囲とのコミュニケーションを大切にしているのだ。「私が新人の時もそうでしたが、緊張して後輩からは話し掛けにくいと思いますので、私から積極的に話し掛けるようにしています」。田里が果たす役割は大きい。

次に会社を担うのは自分たち

将来の目標を聞くと、「入社2年目に出会った上司に追いつくことです。かつての上司のように何を聞いても説得力のある回答ができる、部下や同僚から頼りにされる社員になりたいです」と、力強く抱負を語ってくれた。「ベテラン社員が退職されれば、次を担うのは私たちです。後輩とともにどんどん技術を盗み自分の宝にして、しっかりと安全を守っていきます」。自分に課せられた役目を果たすべく、田里は仲間とともに今日も安全を守る。

仕事をしていてうれしかったことは?

大鉄工業株式会社に出向し、夜間の実作業を経験できたことです。作業の様子を具体的にイメージできるようになり、仕事が進めやすくなりました。また、修理して改善される様子が目に見えることもやりがいを感じました。

好きな言葉は?

「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ。」山本五十六
後輩を指導する際の座右の銘です。後輩を動かすには、自分から動かなければならないことを実感させられた言葉です。

休日の過ごし方は?

学生のころから野球をやっていて、今でも続けています。また、幼い子どもがいるため、育児が趣味になりつつあります。

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