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匠への道

技術を受け継ぐ旗手たち(第12回)

岡山支社 岡山車掌区 小橋 りえ さん

2016年4月に運行を開始した「La Malle de Bois(ラ・マル・ド・ボァ)」。せとうちを走る観光列車として人気を博している。車内のさまざまな展示品や装飾に交じって、お客様が旅の思い出を自由につづれる手作りのアルバムがある。このアルバムを考案した中の一人が、小橋りえ車掌だ。「もっとお客様に喜んでいただくためには」と自問し、お客様に安全と安心を提供し続ける未来の匠を訪ねた。

小橋りえの経歴図

岡山支社初の女性車掌

「地元岡山で働きたい」と思っていた小橋は、車掌として岡山に配属されると聞き、大きな喜びを感じて岡山車掌区に着任した。当時、岡山支社では初の女性車掌ということで、注目を集めることが多かった。車内放送を聞いたお客様が女性の声に驚いて、乗務員室をのぞき込むというのは日常茶飯事だった。それだけに、仕事は緊張の連続。「車掌になりたての頃は、指導車掌に言われたとおりにするのが精いっぱいで、余裕がありませんでした。元々接客があまり得意ではないこともあって、巡回などで車内に入る時は勇気が要りました」と、当時の自身を振り返った。

苦手意識を変えたもの 余裕が仕事を楽しくさせる

しかし、接客の苦手意識は数々の経験を経て徐々に変わっていく。必死で仕事を覚えようと奮闘する小橋の姿勢に、最初は女性である小橋とどうコミュニケーションを取ればよいか分からず戸惑っていた社員も、徐々に打ち解けていった。仕事を覚えていくと少しずつ余裕が生まれ、何かお困りではないだろうかとお客様の視点で考えを張り巡らせるようになった。次第にお客様からお礼をいただく場面が増えた。「お困りだったお客様が笑顔で帰られた時、お客様からお礼を言われた時、とてもうれしかったです。何度もその経験をしたくて車掌を続けることができていると思いますし、どうすればお客様に喜んでいただけるかを考えるようになりました」。育児の経験も視野を広げた。母親の経験を活かし、お子様連れのお客様が望まれること、お子様が求めるものにもより具体的に想像を働かせられるようになった。仕事や私生活からCS向上のヒントを探り、その姿勢がお客様の笑顔となって自分に返り、「もっと笑顔が見たい」と次につながっていく。

岡山の魅力を日本中へ、世界へ

一昨年、小橋のもとに岡山デスティネーションキャンペーンに合わせて運行開始が決まったLa Malle de Boisのコンダクター(乗務員)の募集の話が舞い込んだ。小橋はすぐに応募、思い出に残る旅をご提供するための仕組みを仲間とともに一から考えていった。特急、普通など列車によって求められるサービスは異なり、観光列車の場合は乗ることを目的にするお客様が多い。そうしたお客様にご満足いただくために、きめ細かい接客、思い出作りのための小物など、チーム一丸となっておもてなしのメニューを考案した。これらの取り組みがお客様の心に届き、多くのリピーターにつながっている。それでも小橋は「地元岡山の魅力を、国内だけでなく海外にも広めていきたい」と、現状に満足せずさらなる高みを目指す。

岡山車掌区の看板を背負っていくのは自分たち

小橋は指導車掌としても活躍している。自身の経験を踏まえ、後輩には、正しい知識と技術が余裕を生みそれが仕事の楽しさにつながることを意識して伝える。CSの向上と後輩の指導に取り組む一方で、La Malle de Boisというツールを使って岡山の魅力を発信できる今の環境を「大変ありがたいこと」と喜ぶ小橋。「言われたことだけやっていたのでは、仕事の楽しみも感じられなかったと思います。後輩には仕事を楽しんでほしいです。そして、自分たちが岡山車掌区の看板を背負っていくんだという気概を持って、一緒に仕事をしていきたいですね」と、力強い言葉で語ってくれた。

勉強会では講師役を務める

接客で心掛けていることは?

私は「お客様は家族である」と思っています。例えばご高齢のお客様にご案内する時は、お持ちのきっぷに最低限の情報をメモしてお渡しするようにしています。きっぷであればなくすことも少ないし、一度にたくさんのことをお知らせしても分かりにくいと考えたからです。

うれしかったことは?

車掌の業務をしている中でお客様からおほめをいただくことがあります。そのことはもちろんうれしいのですが、自分が伝えたことを後輩が愚直に守っているのを見た時です。ルールの中にはありませんが、例えば新聞紙を携帯しておくと何かと役に立つことを見習いの車掌に教えてきました。見習いを経て独り立ちした後も、伝えたことを理解し実践しているのを見た時とてもうれしい気持ちになりました。

今後の抱負は?

今年の6月から運行を開始する「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」に乗務することになりました。当社を代表する列車に乗務できる機会を与えていただいたことを大変光栄に思います。お客様に最高のひとときを過ごしていただけるよう、精いっぱい取り組んでいきます。

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