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匠への道

技術を受け継ぐ旗手たち(第11回)

新幹線管理本部 博多新幹線列車区 小郷 寛明 さん

新幹線管理本部 博多新幹線列車区 小郷 寛明

「お客様は、私たちを鉄道のプロと思っておられます。私たちは、その期待に応える義務があります」と真っすぐに目を見て話すのは、博多新幹線列車区の運転士 小郷寛明。指導操縦者でもある小郷は、若くしてこれまでに2人の運転士を育て上げた。今に至るまでには、数え切れないほどの努力と、尊敬する師の存在があった。小郷は、師の教えを受け継ぎ体現することで、職場、当社の未来を築いている。

小郷寛明の経歴図

「知らない」は言えない−鉄道のプロとして

最初の配属先は天王寺駅。多くの路線の結節点でもある天王寺駅では、乗り換えについて聞かれることが多い。小郷は関西出身ではなかったこともあり、質問されても十分に答えられず、「そんなことも知らないのか」と言われたことがたびたびあった。「お客様は、駅員であれば知っているだろう、いわば鉄道のプロと思ってお尋ねになります。当時の私はプロ意識が欠けていたと思います」と振り返る。「この制服を着ている以上、『知らない』とは言えない」。自分の甘さを恥じた小郷は、同僚と協力してお客様の質問に答えられるための資料を作り、案内の強化に努めた。全ては、お客様に安心して快適にご利用いただくため。早く一人前になろ うと、自分にできることに精いっぱい取り組んだ。

「知らないは禁句」。その後も小郷はこの言葉を自分に言い聞かせて努力を重ねた。特に、運転士になる過程で車両の電気回路を学ぶ際、電気系統の知識がなかったため、在来線の時も新幹線の時も非常に苦しんだ。猛勉強する小郷を見て周囲からは「運転士にはそれほどの専門知識は必要ない」と否定的な声が聞こえる時もあった。自分が運転するものを理解しようとしているだけなのに。自分は間違っているのか。自問し、悩んだが、辛抱強く勉強を続けたことで、確たる知識を身に付け、絶対的な自信を得た。今ではベテラン運転士から電気回路について尋ねられるほどだ。

尊敬する師との出会い 師の思いに行動で応える

見習い運転士の時、小郷は生涯尊敬する師匠と運命的な出会いを果たす。師匠は誰もが認める卓越した技術を持ったまさに「プロ」であり、その評判は「彼の弟子なら、小郷も運転はピカ一だな」と言われるほどだった。「自分ができないと師匠が恥をかく」とプレッシャーを感じつつ奮闘する小郷に対し、師匠は「今の若手は車両系統の経験ができないため、知識や緊急時の対応に限界がある」という手厳しい言葉を掛けた。これが小郷の負けん気に火をつけた。知識面でも技能面でも追い越して、見返したい。そんな思いで必死の努力を重ね、念願の新幹線運転士になった。

師匠の薫陶を受け小郷は目覚ましい成長を見せ、今や指導操縦者となるほどの運転士となった。さらに、実務レベル認定制度の知識編、技能編、指導操縦者編の全てにおいて1級を取得し、その評価を不動のものとした。「天候や時間帯など、どのような状況下においても同じ運転ができるよう努めています。良くない運転をした後は、どうすれば改善できるのかを考え、すぐに実践しています。これは見習い時代からの習慣で、今も変わりません」と、技術の向上に余念がない。お客様に安全かつ快適にご旅行いただくため、若き運転士はプロとしての目標を高く持ち、挑み続ける。

先輩方の思いを未来へ プロの集団を作る

小郷が大切にしている、見習い時代に師匠から教わった言葉がある。「運転士になってからが本当のスタート」「疑問が湧いた時、すぐに人を頼らず、まずは自分で精いっぱい調べること。それでも分からなければ他人を頼る」「他人からもらった資料で学ぶのではなく、自分で資料を作り、理解する」。小郷も2人の弟子を育てた際、この言葉を掛けた。「努力を怠らないでほしい、知識をしっかりと自分のものとしてほしい、という思いの表れです。きっと師匠も私にそれを伝えたかったのだと思います」と、尊敬する師匠に自分を重ねる。

「私が師匠の背中を見て育ったように、後輩も私たちの背中を見て育ちます。先輩方が残してくださった誇りをしっかりと受け継ぎ、お客様、同僚や仲間から安心、信頼していただける職場、JR西日本を作っていきたいです」と、力強く語ってくれた。

  • 発車前、車掌と連絡を取り合う。
  • 乗務前に、注意事項などを掲示板で確認する。

期待の一言

博多新幹線列車区
若松 健区長

小郷運転士が当区に着任してから11年が経過しました。その間、職務に真摯に向き合い、自己研鑽に励むとともに、多くの優秀な先輩社員から技術を吸収してくれました。その培った知識・技能は、運転士としての能力向上はもちろんのこと、指導操縦者としての後進育成にも生かされています。今後は当区の中核社員として、逆に自身が技術を継承する立場となり、引き続きの後進育成に役立てていただきたいと思います。

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