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匠への道

技術を受け継ぐ旗手たち(第1回)

待ちの姿勢ではなく、自ら意思を持って行動する「次世代の匠」(近畿統括本部 電気課 梅田 正幸 主査)

近畿統括本部 電気課 梅田 正幸 主査

平成5年に運輸系統でプロフェッショナル採用が始まって約20年超(技術系統は平成9年から)。今では、ベテラン社員の技や知識、心意気などを受け継ぎ、各職場で中心となって活躍する社員が増えている。
そんな会社の中核を担う社員の活躍ぶりを紹介する「匠への道」。第1回は、信号の知識・技能を磨いてきた梅田正幸だ。

梅田正幸主査の経歴図

早め早めの段取りで、現場の円滑な業務運営をサポート

梅田は現在、近畿統括本部管内の信号に関する修繕工事の計画策定や予算管理などを行う。現場から上がってくる工事計画をとりまとめ、必要な金額を精査したうえで、経理担当部署に予算要求し、承認された予算を各現場に通達する。スムーズに予算通達できれば、施工会社の選定・材料の手配などから工事施工までスムーズに行える。急な修繕が発生した際も、予算管理を的確に行っていれば、素早く判断・対応することができ、「部内原因による輸送障害」を防ぐことができる。まさに、信号関連工事の指令塔ともいえる重要な業務である。「工事を担当する場所にとって、予算通達が全ての始まりといっても過言ではありません。現場に迷惑をかけないように、早め早めに段取りすることを心掛けています」。

後輩を持つことで変わった仕事への考え方

そんな梅田も入社当初は戸惑いの連続だった。「先輩は父親よりも年上の人ばかり。上司が気を遣って声を掛けてくれましたが、年の差が大きく共通の話題もないので、会話が長続きしませんでした」。技術の習得にも苦労した。「普通科出身なので電気のことは素人で、何を質問したらいいかすら分かりませんでした。たとえ質問しても、当時は昔気質の先輩が多く、『見て覚えろ』という感じで、辛くて何度か辞めようと思ったこともありました」。

転機が訪れたのは入社2年目。「後輩が入ってきたことで、後輩からの質問にちゃんと答えられないのは格好悪いと思ったのがきっかけです。頼られる先輩になろうと、自ら率先して勉強するようになりました」。

積極的に業務知識や技能を身に付けるようになった梅田は、その後、桜島線(JRゆめ咲線)の単線運転化工事の踏切切り換えを任された。「結線図面※の作成から施工後の試験まで、全ての工程を担当しました。大変でしたが、全体を見通すことで視野が広がりましたし、自らの成長を実感することができました。試験後に初列車が通った時のうれしさは今でも忘れられません」。

※電気回路の接続を記号で示した図

失敗して学んだことを次に生かして、さらなる高みを目指す

「100%完璧にできる人はいません。私も何かと失敗してしまいます。問題は、その失敗を次に生かすかどうかだと思います。失敗から学び、今日よりも明日、明日よりも明後日と、少しずつレベルアップしていきたいです」。後輩に対しては、「今は教育メニューや勉強会などが充実しているのではないかと感じます。でも、それに甘んじた待ちの姿勢ではなく、自ら意思を持って行動してほしいです」と語る。

言葉だけでなく、自らその姿勢で「道」を示し続ける梅田のさらなる活躍を期待したい。

  • 現場区所に足を運び、相互に工事内容を確認する。
  • 桜島線(JRゆめ咲線)の踏切。単線運転化工事の際に切り換えを任された。

期待の一言

近畿統括本部 電気課
中村 昌弘担当課長

機は熟した。まさしくこの言葉が当てはまります。梅田君がこれまで現場の第一線で培ってきた技術・技能が確立されつつあります。近畿統括本部内の信号系統の修繕計画においては、その技術・技能を生かしながら、「現場視点」というエッセンスを取り入れて進めてくれています。この「考動」が功を奏し、現場区所とのさらなる相互連携が生み出されています。

今まさに体現している行いが、今後「匠」と称される「道」へと大きく導いてくれるものと思います。梅田君なら、確実に一歩ずつ進んでくれるものと期待しています。

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