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輝く匠

安全・安心を支える技術(第39回)

和歌山支社 和歌山機械区 上出 敏之 係長

昭和57年国鉄入社。天王寺機械区和歌山支所に配属になり、その後も和歌山支社エリアで従事。入社から今まで、車両検修機械、自動改札機やIC機器といった営業設備、空調関係など幅広い機械設備に携わる。
 

座右の銘は「塵も積もれば山となる」。そう話す和歌山機械区の上出係長からは、その言葉通り、努力家で丁寧に仕事をするイメージが伝わってきた。物腰柔らかだが、「仕事を回すためには、壁にぶち当たっていくだけです」という発言からは、芯の強さが感じられた。

「現場を知らないと説明に信憑性が生まれない」

昭和57年の入社以来、機械一筋。最初はボイラーの修繕、客車や貨車の入換に使用する機械の点検などに携わった。当時の職場は退職間際のベテラン社員と若手社員という状況で、上出を含め若手は「何とか早くベテランに追い付こう」と必死だったという。

平成2年に和歌山支社工務課へ配属となり、初めての間接業務を経験する。担当した業務の1つが、工事費用の積算。これまでは工事を施工する側だったが、工事を計画、費用を算出する側になった。計画するためには現場の様子をしっかりと把握していなければならないが、広大なエリア全ての状況を知っているわけではなかった。そこで上出は移動の労を厭いとわず、とにかく現場を見に行った。「現場を知っているのと知らないのとでは、説明の信憑性に雲泥の差が出ます。若手には積極的に現場に行くよう指導していますし、今でも新たな設備が導入された際などよく出向きます」と、現場を知ることの大切さを語る。

一生ものの経験 「Scomm.」の開発

上出にとって忘れられない仕事がある。お客様向けに運行情報を発信する装置、簡易運行情報表示端末(以下、Scomm.)の開発だ。

当時和歌山支社では、駅係員が不在となる駅などにおける異常時の情報提供の充実に取り組んでいた。そんな時、営業課から「タイムリーにお客様へ情報提供できる装置を導入できないか」との相談が上出に寄せられた。手探りで進める中、上出は関係箇所を駆け回り、運行情報の収集方法や入力方法、情報入力者の調整など、課題を一つひとつ潰していった。試行錯誤の末、営業課、駅、グループ会社と協力し、主な駅に運行情報を提供する装置を開発した。

「お客様に喜んでいただけるはず」。そう確信していたが、現実は違った。情報の入力を駅係員の担当としていたが、異常時においてはお客様の対応に追われ運行情報の入力にまで手が回らない。その上、刻一刻と変化する情報を駅係員が把握することは困難だった。開発は失敗、この話は頓挫したかのように思えた。

しかし、「壁があったらぶち当たるだけ」と、上出は諦めなかった。改善策を話し合い、ホームページに着目した。ホームページから情報を抽出できれば、最新の情報が手に入る上、駅係員が入力する必要はない。早速関係者を集め、ホームページから運行情報に関わる情報だけを抽出して表示できる端末、「Scomm.」を開発した。これにより駅係員による作業は不要となり、タイムリーで正確な情報を提供することが可能となった。この開発は画期的で全社的に展開されており、平成25年度 技術開発成果発表会で優秀賞を受賞している。「失敗と、周囲の協力があってこそできたものです。諦めずに取り組んで本当に良かったと思いますし、開発に携わることができて幸せです」と、子どものように無邪気に語ってくれた。

部下を見守る目は家族のように

現在は係長として、区長を補佐しつつ若手の育成に尽力する。部下3人の実務能力を反映したカルテを作成し、本人との面談を重ねて着実に部下を育てている。育てる上で重要視するのは、経験を積ませることと、現場を見ること。できるだけ経験のない業務を任せ、現場と机上との差に気付かせることで、その後に生かせるように気を付けている。

親のように愛情を注ぐ上出に部下も応える。「私や先輩に何でも聞いてきた社員が、ある時会議を仕切っているのを見ました。成長を感じられて、うれしかったです」と、思いは確実に部下へ伝わっている。

「一人ができることは小さいかもしれませんが、確実に会社、世の中に貢献していることを忘れずに仕事をしてほしいと思います。私も若手には負けず、モチベーションを下げずにこれからも当社を支えていきます」と締めくくった上出。匠と呼ばれるようになった今も、歩みは止めない。

  • 熱心に部下の説明を聞き、的確にアドバイスする。
  • 駅で運行情報を示すScomm.。重要な案内ツールだ。

未来の匠

和歌山機械区 山口 拓哉

上出係長は和歌山支社の機械設備を知り尽くしている方です。私自身、的確なアドバイスをいただけるため安心して業務に向き合うことができます。また若手社員の指導に関しても、お客様・他系統・グループ会社のことを考えた上で“今すべきこと”を先手先手で伝えてくれます。 係長は、和歌山支社内およびグループ会社からの信頼も厚く、半年に及んだICエリア拡大工事もトラブルなく円滑に進めることができました。改善に関しての意識も高く、自身が開発に携わられたScomm.に始まり、次々と大きな改善を進めています。 私も係長のように幅広い知識を身に付けるとともに、ICTを活用し鉄道の将来に貢献したいと思います。

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