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輝く匠

安全・安心を支える技術(第26回)

『3現主義』と広い視野で、次に生きる提案ができる社員を育てる(岡山支社 岡山機械区 石田 悟 区長)

岡山支社 岡山機械区 石田 悟 区長

匠プロフィール
昭和54年国鉄入社。主に機械設備の保守業務を担当したのち、平成3年から岡山支社施設課で企画立案や工事計画業務に従事した。平成13年からは大阪設備区にて自動改札機のICOCA対応化に関する業務に携わり、施設部勤務を経て平成18年より岡山支社施設課で岡山支社管内へ自動改札機を導入するプロジェクトのメンバーとなった。現在は岡山機械区長として14名の部下とともに、岡山支社管内の機械設備の保守管理を担っている。
 

『3現主義』を次の一歩につなげる

「若手社員には、設備などが故障した際に現地を見るように言っていますが、最近はその場の故障対応だけで満足する人が結構います。『3現主義』(現地、現物、現実)を実践することは大事ですが、何より肝心なのは、そこで起きたことが他でも起きるリスクはないか、二度と起きないように何をすればよいか、それを考えることなのです」。そう語る石田は、岡山支社管内の自動改札機や券売機、エレベータ、そしてマルスや放送装置など、多種多様な機械設備の保守を担当する岡山機械区の区長だ。

「機械化が進み設備が増えているうえ、設備自体も高度化しています。だからこそ、ユーザーであるお客様や駅係員にとってより安全で使いやすい設備を実現するために、『3現主義』に基づいてしっかり考え、次の一歩につながるような提案をするよう指導しています」。

工事計画や予算管理などの業務を通じて視野が広がる

入社以来、岡山機械区で冷暖房装置やボイラーなどの保守管理に携わっていた石田。平成3年からは岡山支社施設課で工事計画や予算管理などを担当することに。「ユーザーのニーズを把握したうえで、限られた予算をどこに投入するか。PDCAを回すうえで重要な仕事です。大変でしたが、工事に至るまでの流れが理解できましたし、支社の施策の全体像も知ることができ、とても勉強になりました。今は、直接部門でもこうした業務を行っているので、視野の広い若手を育成するため自分の経験を踏まえながら指導しています」。

大阪での経験を岡山で生かす

平成13年には大阪設備区へ。「当時岡山にはなかった自動改札機の保守管理を担当しました。券詰まりが発生すれば、現場で一つひとつ分析しました。おかげで、夏と冬とでは温度差が原因でベルトとローラーの掛かり方に微妙な差ができることなど、細かい点まで把握できました」。

この大阪設備区での努力が実を結ぶ時が訪れる。平成18年、岡山支社管内への自動改札機導入プロジェクトに携わることになったのだ。「スケジュールが厳しく大変でしたが、京阪神エリアの自動改札機よりも一歩進んだものを導入するなど、大阪での経験を十分生かすことができました。お客様がスムーズに改札を通過されるのを見た時の感動は今でも忘れません」。

「これは自分の部門の仕事ではない」と思わない

岡山支社管内では来年度、新幹線の自動改札機の取り替えが始まる。単に設備を取り替えるだけではない。「ユーザーの使いやすさはもちろん、メンテナンスのしやすさにも目配りが必要です。配線方法一つ取っても後々に大きく影響を及ぼすことがあります」。メンテナンスのことまで考慮するためには、他系統との連携が必要だ。「駅設備は機械区が一括して保守管理しています。でも、保守作業時には建築や電気系統などとの調整も必要です。だから、設備取り替えの時点から他系統としっかり連携しておかねばなりません。『ここは機械区の担当ではない』などとは決して思わないことが大事です」。

現場をしっかり見て、他系統とも調整しながら進める。教えてきたことが来年度からの大仕事でどう生かされるか。石田は部下の活躍を楽しみにしている。

  • 若手への勉強会を定期的に開催する。
  • 作業前の打ち合わせは入念に行う。
  • 安全・確実に作業が行われているか見守る。

未来の匠

山村 昇

石田区長は常に一歩先を見て行動するリーダーシップに優れた現場長です。設備保守への強い思いを持ち、設備の改善・新しい技術への挑戦などについて、他系統やグループ会社などを巻き込みながら積極的に取り組まれています。私たちが前向きな挑戦を行えるように目をかけてくれるところや、「親しき仲にも礼儀あり」とけじめをもって仕事を進めていく姿勢は、私も見習っていきたいと思います。

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