社長メッセージ

2017年12月11日、これまで築き上げた新幹線の安全性に対する信頼を大きく損なう、重大インシデントを発生させてしまいました。新幹線は日本経済を支える重要な社会インフラであり、新幹線をはじめとした鉄道ネットワークを通じて、お客様の暮らしを支え、地域の活性化に貢献し続けていくことが当社グループの使命です。2005年4月25日の福知山線列車事故後、私たちは、安全を確保する仕組みと安全最優先の風土の構築に向けて、リスク管理の強化や、全員参加型の安全管理を進めるとともに、ホーム柵設置などのホームの安全性向上、斜面防災といった激甚化する自然災害への対処など様々な取り組みを積み重ねてきました。しかしながら、今回、現行のルールや仕組みの中で、新幹線の安全な走行を脅かすほどの車両設備の状態を発見できなかったこと、通常とは異なる状態のまま、新幹線の運行を継続させたことについて、極めて重大な問題と受け止めています。新幹線という高速鉄道を含め、鉄道の運行の安全は、安全最優先の判断とそれに基づく行動により支えられています。このことを前提として、安全最優先の意識とそれに基づく考動の徹底的な実践、鉄道の安全性をより高めるためのハード対策とソフト対策をこれまで以上の使命感を持って進めていきます。
危険に遭遇したら、安全を最優先に判断し、行動する。端的に言えば、安全を確認できない時、「迷いなく、列車を止める」。改めて、このことを一人ひとりが強く肝に銘じ、徹底して実践していきます。

一人ひとりが主役

当社グループの大きな強みは、鉄道を基軸として施策を展開する力、地域の皆様と連携する力、そして「目標達成に向けて一人ひとりが考動する力、組織として結集する力」であると考えています。こうした認識のもと、中期経営計画を、「一人ひとりの考動で実現していく中計」と位置づけ、お客様起点、現場起点の発想に立ち、一人ひとりが納得感をもって目標に向かって考動し、その力を組織として結集する取り組みを進めてきました。当社グループの幅広い領域で活躍する社員一人ひとりが、安全を支える主役であり、成長に向かう原動力です。また、そういった先輩社員の魅力に惹かれ入社している社員も多くいます。当社グループの事業は社員一人ひとりがいきいきと働くことで成り立っており、今後も「一人ひとりの考動」を通じて目標実現に向けた取り組みに参画し、それが成果に繋がる好循環を生み出していくとともに、成長を支える原動力である人材を財産として大切に育てていきたいと考えています。

「次の一歩」を共に

当社は、2017年4月1日に会社発足30年を迎えました。この間、JR西日本グループの基幹事業である鉄道サービスをご利用いただくお客様は、1日約400万人から約500万人へ、また「OSAKA STATION CITY」をはじめ生活サービス事業においても多くのお客様にご利用いただいています。これは、当社グループの提供するサービスがお客様や社会から必要とされていることの証であり、私たちJR西日本グループで働く者の大きな「喜び」であり、「誇り」です。近年では、優れた技術・ノウハウを持つベンチャー企業との連携を通じてイノベーションの創造と地域活性化を図る新会社の設立、JR西日本エリア外での不動産事業の拡大のための資本提携、ブラジルの鉄道事業への参画など、次代の事業展開を見据えた布石を着実に打ちつつあります。これらは、「西日本エリア」、「鉄道」といった従来の枠組みを越えて決断し、新たに踏み出した一歩であり、JR西日本グループには、「西日本エリア」「鉄道」にとどまらない限りない可能性が開けています。
今年は、2018年度から5年間の新たな安全計画と中期経営計画がスタートする年です。改めて「お客様のかけがえのない尊いお命をお預かりしている」という責任を自覚し、「安全の確保こそ最大の使命である」との決意を新たにして、「次なる30年の礎」を築く「次の一歩」を踏み出していきます。そして、これからも、お客様の暮らしを支え、地域の活性化に貢献する事業活動を通じて、お客様、地域や株主の皆様、共に働く仲間に対して価値を提供し続けていけるよう、取り組んでいきます。私たちと共に持てる力を存分に発揮し、当社グループと地域の未来を切り拓いていきたいという志をお持ちの方の挑戦を、心からお待ちしています。