音の故由

飛火野(春日大社境内)【奈良市】

鹿寄せ

 奈良市街の東に位置する奈良公園は、広大な芝原に樹木が生い茂り、鹿の群れが餌を食む姿が見られ、古都奈良を代表する景観だ。春日大社境内の飛火野[とびひの]と呼ばれる場所は、その昔、春日の大明神が白い鹿に乗って天降[あまくだ]られた時、お供の八代尊[やしろのみこと]が口から火を吹いて、灯としたその火が消えずに飛び回ったことからこの地名がついたとされる(一説には、平城京の烽火[のろし]をあげる場所だったとも)。以来、春日大社や奈良の都では、鹿を神の使いとして大切にしてきた。現在、奈良公園内と鹿苑内には約1,360頭の鹿が生息する。

 (一財)奈良の鹿愛護会では、公園内の鹿の保護育成や調査研究を行うとともに、鹿の角きりや鹿寄せなどの伝統行事も継承している。飛火野で愛護会職員がナチュラルホルンを吹き始めると、鹿は群れとなって走り集まってくる。鹿たちにはご褒美としてドングリが与えられる。鹿寄せは予約制(有料)だが、観光キャンペーンとして無料で観覧できる期間もある。

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