旅の縁起物 文学や映画の舞台になっている尾道。尾道水道を望む階段や坂道など、独特の町並みが郷愁を誘う。

広島県尾道市 にぎり仏 にぎりぼとけ

瀬戸内海に面した港と坂の町、尾道。自然の良港を持ち、平安時代に荘園米の積み出し港となり、江戸時代には北前船の寄港地として繁栄した。港町・商都として発展したことで生まれた豪商たちは、多くの寺社仏閣の寄進造営を行ったため、尾道には今なお多くの歴史ある寺が残っている。

 尾道駅にほど近い「持光寺(じこうじ)」もそうした古寺の一つ。平安時代の創建とされる名刹だ。名物となっている「にぎり仏」は、思いを込めて粘土を握り、世界で一つという自分の念持仏を作るというもので、25年ほど前に松岡昭禮住職が作陶中、手に持っていた粘土が仏の顔に見えたことがきっかけだったという。自分で目や口を描き、鼻や耳を作った仏様は、住職が寺の窯で焼いた後、本尊である五劫思惟阿弥陀如来の御前で香をいただき、後日送付される。尾道観光に訪れる人々に人気を集めているが、特に入学試験シーズンには、合格祈願に多くの人が訪れるそうだ。

にぎり仏

地図

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