原 耕輔(26) はら  こうすけ 新幹線管理本部 山陽新幹線博多駅

お客様の満足に直結するサービスをめざす。

鉄道に生きる

自分たちも変わらなければいけない

 山陽・九州新幹線相互直通運転に伴い、博多駅はホームやコンコースの改築、改装など、施設というハード面のリニューアルだけではなく、お客様をワンランク上の満足、おもてなしで迎えようと、駅員たちの“心”もまた新たになっている。

 ここにも一人、「博多駅を愛される駅に!」と語り、行動する社員がいる。入社4年目の若手である原 耕輔だ。福岡エリアでは、各職場のメンバーがCS向上のために話し合いを重ねて、実際に行動に移すワーキンググループ『We Love 福岡』の活動や、JR九州との勉強会などを実施している。また、同時期に生まれ変わる大阪駅をはじめ、他の駅社員ともCS向上のための勉強会や意見交換会を行っている。原は博多駅の中心メンバーとして仲間とともに、これらの活動の盛り上げに努めている。

「他会社や駅以外の職場、そして博多駅以外の駅のCSに対する考え方や取り組みを知ることで、お客様の満足というテーマの深さ、難しさに気づかされたと同時に、自分たちにももっとできることがある! 変わらなければいけないと思うようになりました」。 

人の温かさが伝わる博多駅にしたいと、常に笑顔でお客様と接する原。

中心者の自主性と、粘り強さが求められる

 原の入社は平成19年4月。三ノ宮駅で教育を受けた後、六甲道駅の出改札業務がスタートだった。その後、灘駅、広島車掌区を経て、平成21年5月に博多駅の配属となった。

「私は駅員だった祖父に大きな影響を受けました。ある時、祖父が駅を利用する子どもたちの書いた習字を駅に展示したのですが、それがご利用の方々にとても喜ばれていた光景が今も忘れられません。祖父のようにお客様に喜んでいただける仕事がしたい、私が鉄道マンを志した原点です」。入社以来、お客様にとって優れたサービスとは?自分にできることは何か?と考えていた時、はからずも博多駅に配属となり、まごころを込めたサービスの提供に目覚めた。

 現在、原は「笑顔であいさつ推進運動」展開の中心メンバーとして、博多駅に笑顔の輪を広げている。

「笑顔であいさつ。簡単にできそうなことでも、それを広げていくには粘り強い取り組みが問われますが、駅長をはじめ上司や同僚の理解や協力が大きな支えとなり、運動が確実に広がっている手応えを感じています」。

改札やご案内など、お客様と接する業務のほか、デスクでは主に連絡事項の確認や電話対応などの業務をこなす。

昨年11月、子どもたちにもっと新幹線を知ってもらおうと開催した「博多駅キッズフェア」。原は手作りの紙芝居など、さまざまなアイデアを出して新幹線をPRした。

山陽・九州新幹線相互直通運転開始に向けて

 ベテラン駅員の接客を目にするにつけ、通り一辺倒ではなく、相手や情況に応じた機転をきかせた対応の大切さを痛感する原。自らも身近な業務から実践に移している。

「博多駅新幹線ホームでは、一日に約30名ほど車いすのお客様をご案内していますが、私はホームに上がった時、どこの緊急列車停止スイッチが一番近いかをまず再確認します。当然のことかもしれませんが、万が一のことがあった場合、速やかに対応できるようにするためです」。

 まごころを込めたサービスの向上は一朝一夕にできることではない。しかし、原をはじめとする社員たちの「お客様に喜んでいただける博多駅にしたい」という強い想いのもと、変化しようとするこうした努力は、いつかお客様の笑顔の花につながる。

「いよいよ九州新幹線の開業という歴史的な場面に立ち会えることは本当に感慨深く、幸せなことだと思っています。玄関口となる博多駅も九州の人々の持つ温かさをしっかり伝える駅にしたいです」。3月12日、鉄道人生の大きな節目をうれし涙で迎えるかもしれない、そう語った若き瞳はまぶしいくらい輝いていた。

お客様へまごころの込もったサービスをめざして活動する「We Love 福岡」のメンバーと、笑顔であいさつ運動を展開中。

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