Blue Signal
September 2009 vol.126 
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西日本 美味礼讃 イメージ
五郎島金時 石川県金沢市

日本の秋の味覚といえば、さつまいも。鹿児島県の「紅さつま」などが有名だが、石川県金沢市の五郎島地区などで生産され ている「五郎島金時」も名高い。「加賀野菜」に指定されている“さつまいも”の中でも代表的な産地ブランドであり、ホクホクして甘みがある。

 五郎島でさつまいもを栽培するようになったのは元禄時代末期頃。五郎島村肝煎大百姓の太郎右衛門が薩摩の国から種芋を持ち帰ったことが始まりだと言われている。明治時代以降、栽培面積が増えると関西方面へも出荷され、市場から高い評価を得るようになった。

 日本海に面した五郎島はさつまいもの生育に最適な砂丘地であり、この土が格別の美味しさを生む。通気性と保水性に富んだ、大きくもなく小さくもない砂粒が、金沢弁でいうところの「コボコボ(ホクホクの意味)」としたさつまいもを育てるのだという。また、伝来当時から米ぬかを主体とした肥料が使われている。
 五郎島金時の収穫は8月中旬から11月上旬。焼き芋や天ぷらなどとなって、旬の味わいを食卓へ届けている。 イメージ
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