Blue Signal
September 2008 vol.120 
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探訪 鉄道遺産 「シロクニ」と親しまれ、戦後復興期に活躍した蒸気機関車〈梅小路蒸気機関車館〉
 日本の戦後復興期に華々しく活躍し、栄光の機関車や「シロクニ」の愛称を持つ、C62形蒸気機関車。その1号機が誕生したのは1948(昭和23)年1月17日のことだ。

 第2次大戦後、戦時物資などを輸送していたD51形・D52形などの大型貨物用機関車が余剰となる一方、生活物資の買い出し旅行や戦地・植民地からの復員・引き揚げなどにより列車の混雑が激しくなり、旅客用機関車が極端に不足していた。そこで遊休状態にあったD51形・D52形を大型旅客用機関車に改造することとなった。こうして誕生したのが、D52形を改造したC62形である。

 1号機は、東海道本線の特急「つばめ」「はと」や、山陽本線で特急「かもめ」「あさかぜ」「さくら」などの寝台特急をけん引するなど、幹線輸送の主力として走りつづけた。1967(昭和42)年に廃車後、広島鉄道学園で展示されていたが、1994(平成6)年から梅小路蒸気機関車館に居を移し、現在は同館で人気の「スチーム号」として来館者を楽しませている。

【アクセス】嵯峨野線「丹波口駅」下車徒歩約15分
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