Blue Signal
January 2004 vol.93 
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朝日焼[あさひやき](京都府宇治市)
あけぼのの空を染める太陽のような気品高い色合いと柔和な表情。朝日焼はゆったりと流れる宇治川のほとり、朝日山の麓に初代陶作が慶長年間に開いたと伝えられる。小堀遠州の指導により「朝日」の印を与えられ、茶陶として名声を博し、後に遠州七窯のひとつに挙げられるようになった。

朝日焼の特徴は、熟成させた土が松の炎と出合うことで生まれる淡い斑点状の模様。御本手と呼ばれるこの窯変は陶土の種類によって現れ方が異なり、厚手の素地に薄紅の景色が現れた「燔師」、繊細な作りに鹿の背のような黄味を帯びた斑紋が散った「鹿背」に分けられる。

茶どころの風土に育まれ、宇治茶の浸透とともに発展を遂げた朝日焼。400年の伝統を唯一の窯元が今に受け継いでいる。
イメージ
「燔師茶わん」初代陶作作 朝日焼窯芸資料館蔵
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