撮影実績

撮影レポート

ドラマ点と線

出演者 ビートたけし(鳥飼重太郎)、柳葉敏郎(安田辰郎)、高橋克典(三原紀一)、原沙知絵(お時)ほか
放送日 2007年11月24日(土)、25日(日)
撮影日 2007年8月1日(水)〜3日(金)、9月10日(月)〜12日(水)
撮影場所 宮原総合運転所、交通科学博物館、SLやまぐち号 ほか

内容

本作品は松本清張処女作となる長編推理小説「点と線」のドラマ化です。内容は、博多で発生した一見完璧に近い動機づけを持つ心中事件に疑問を持った刑事が、事件発生時には北海道にいた犯人のアリバイを打ち破っていくというもので、東京駅での“空白の4分間”が推理の重要ポイントになっています。当ロケーションサービスでは、制作側の依頼によりこの東京駅ホームを大阪にある車両基地内に製作し撮影協力を行いました。

撮影場所・内容

Point1

宮原総合運転所

2007.08.01 撮影

シーン1

2カ月がかりで製作した仮設ホームでの撮影がついに始まりました。しかし、この週は季節外れの台風が本州に接近・・・。最悪の場合、撮影中止の可能性もある不安を抱えてのスタートです。

初日は、エキストラのみによるCG素材用の撮影です。セットの後方にはCG用に大きな緑色シートを張り、50人程度のエキストラによるホーム上や車両内での動きが主な撮影内容でした。

Point2

交通科学博物館

2007.08.02 撮影

シーン2

鳥飼と三原が急行列車「雲仙」に乗車して上京してきたシーンです。撮影は交通科学博物館の展示車両(C62形蒸気機関車)を用いて行いました。時代設定上、SLを使用しての撮影が必要との希望をいただき、ワンカットのみの撮影でしたが、こういったところに製作側のこだわりが伺われます。開館前の博物館が巨大なロケセットに思えました。

Point3

宮原総合運転所

2007.08.02・3 撮影

シーン3

東京駅13番線ホームという設定。とみ子と八重子が安田を東京駅まで見送りに来ているというシーンです。この撮影は、京都の車両基地から大阪の車両基地まで移動させてきた113系電車を用いて行いました。しかし、撮影場所となる線路は、電車の電源設備が整っていないため、小型発電機を用意し、室内灯や前照灯を点灯させるという手段をとりました。ただ、車内冷房装置の電源まで確保できなかったため、車内は蒸し風呂状態!長時間、車内にいたエキストラの人たちは暑さに耐えながらの演技です。本当にお疲れ様でした。

シーン4

“空白の4分間”の撮影は、仮設ホームから約10メートル離れた位置にカメラをセットする必要があったため、車両基地内の営業線を一時閉鎖して撮影しました。閉鎖時間は営業に影響しない2時間が限度です。線路閉鎖に至るまでの諸手続やカメラセッティングなどの準備時間を含めると撮影できる時間はさらに短くなります。できるだけ撮影時間が確保できるように、当社の運行部門、保線部門、車両部門の社員と連携をとり最善の状態を設定し撮影協力しました。

今回は通常の駅や列車内の撮影とは異なり、仮設ホームを製作して行うことから、当社の施設において、そのような撮影ができる場所があるのかどうか、まずはその場所を探すところから始まりました。地方の駅や複数の車両基地をロケハンし、最終的に当該車両基地内に東京駅のセットを製作することになりました。しかし、当社ロケーションサービスでも初めての試みであり、前例がまったく無いことから、企画構想から半年、セット製作に2ヶ月もの月日を費やしての撮影となりました。また、制作側からは、国鉄時代の車両(113系・客車24系・EF58機関車)使用を強く希望されましたので、社内調整に手間がかかり、手配の面で苦労がありました。

台風の接近を心配しながらの撮影でしたが、天を味方につけた撮影は無事に終了し、心地よい達成感を味わうことができました。

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