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2009年度 省資源への取り組み

鉄道では、保守や工事で発生する廃棄物のほかに、駅や列車内、オフィスから発生するごみもあります。こうした事業活動にともない発生する廃棄物に対して3R(「リデュース」「リユース」「リサイクル」)を推進し、省資源化に取り組んでいます。

リデュース(使用資源の削減及び廃棄物の発生抑制)

ロングレール化・PCまくらぎ化

鉄道の安全を支えるレールやまくらぎは、安心して長く使用できる材料でなければなりません。レールについては、継目をなくしたロングレール化を進めることにより、レールの長寿命化と継目材料の削減を図っています。なお、ロングレール化は列車の走行抵抗や騒音・振動の低減にも効果があります。また、まくらぎは、昔から木材のものが多く使われてきましたが、木より長寿命なコンクリートなどの材質のまくらぎに取り替えることにより、廃棄物の発生の抑制を図っています。このことは原料となる木の伐採を削減し、森林保護にも貢献できます。

PCまくらぎ
PCまくらぎとは、「プレストレスト・コンクリートまくらぎ」のことで、コンクリート内に、鉄筋のほか、PC鋼線を挿入し、コンクリートに事前に張力を加えるものです。これにより、ひび割れなどが防げ、まくらぎの強度も増します。

レールの摩耗防止

レールは、車輪との摩擦により、少しずつ摩り減っていきます。この摩耗を防止するための装置を沿線に設置していますが、一部に太陽電池を電源に利用した装置を導入しています。
摩耗防止でレールの長寿命化に寄与しているほか、その電源に太陽電池を用いることで、より環境に配慮した装置としています。

太陽電池を電源に用いた電動塗油器

IC乗車券「ICOCA」の導入によるきっぷなどの削減

近距離利用の利便性向上(きっぷの購入が不要、改札機にタッチするだけで利用可)などを目的として導入されたIC乗車券「ICOCA」は、繰り返し使用することができるため、従来の磁気きっぷや磁気定期券の発行枚数削減にも効果があります。
これまで平成15年に京阪神エリアに「ICOCA」を導入し、その後も、「Suica」との相互利用(平成16年)、「PiTaPa」との相互利用(平成18年)などにより利便性を向上させ、カードのご利用を増やしています。平成19年には岡山・広島エリアにも「ICOCA」を導入し、これによりJR西日本ICサービスエリアにおけるIC乗車券のご利用は、全体の5割強程度と伸びており、近距離きっぷ(磁気きっぷ)の割合が相対的に減少してきています。

新規ウインドウで開きます。IC乗車券「ICOCA」について

ICOCA定期券

リユース(再利用)

新幹線から在来線へのバラスト・レールの再利用

新幹線で使用されたレールやバラストの一部は、社内のリサイクル施設で在来線の基準を満たすように整備したうえで再利用しています。また、再利用できないバラストについては、破砕や選別を行い再生砕石(注釈1)、再生骨材(注釈2)、再生路盤材(注釈3)にするなどリサイクルしています。

〈主な用途〉
  • (注釈1)建物基礎下の地盤整備や道路用砕石やクッション用砂・埋め戻し用砂などに使用します。
  • (注釈2)コンクリートを造るうえで、セメント、水と練り混ぜて使用します。
  • (注釈3)道路舗装の一部を構成する部材として下層に敷き詰め、道路表層から伝達される荷重を分散して受け止め地表に伝える役割をします。

バラスト

レール再生プラント

考動エコ:「姫路工事所でのバラストのリユース」

姫路駅付近高架化工事で、一時的に線路を敷設しましたが、その撤去の際に大量のバラストが発生し、処理する必要が出てきました。
処理にあたっては通常、転用(リユース)か廃棄かを種々の条件により比較・検討し、当初は費用面で見て廃棄することを考えていました。しかし、近くで実施されていた別の工事と合わせて費用を見積もれば、バラストを転用しリユースすることにより、トータルとしてメリットがあることに気づき、処理を実施しました。
結果、工事で発生したバラスト6,000トンのうち、1,200トンのバラストのリユースに成功しました。

リユースした大量のバラスト

姫路工事所 施設管理係 山本健二

使用期間が短く、状態のよいバラストを大量に処理してしまうことはもったいないと考え、多くの箇所に転用の話を持ちかけ、受け入れ可能な箇所を見つけ出しました。その後、社内外の関係者との間でさまざまな調整や事務手続きがありましたが、懸命に勉強して、自らの思いを資料にまとめ説明することで納得していただきました。
これからもこうした広い視野を持って考動し、当社の信頼回復に努めていきたいと思います。

リサイクル(再資源化)

駅ごみ・列車ごみ(資源ごみ)のリサイクル

駅や列車から発生するごみのうち、新聞・雑誌、カン、ビン、ペットボトルはリサイクル可能な“資源ごみ”であり、これらをリサイクルすることはごみ発生量の節減とともに原料となる資源の節約にもなります。JR西日本では、駅を中心として分別回収を実施しています。
平成20年度は、駅や列車からの発生ごみ総量は21,738トンでした。このうち資源ごみは6,843トンであり、6,249トン(91.3%)をリサイクルしました。

駅ごみ・列車ごみ(資源ごみ)のリサイクル状況の推移グラフ
駅ごみ・列車ごみ(資源ごみ)のリサイクル状況(平成20年度)グラフ
リサイクルのフロー図
阪和線鳳駅では、お客様にごみの分別廃棄へのご協力を呼びかけています。

大阪リサイクルセンターでの"資源ごみ"の分別

大阪リサイクルセンターでは、平成17年度より京阪神エリアの駅や車両基地から排出される資源ごみを細分化し、リサイクル業者へ引き渡しています。"資源ごみ"として平成20年度は2,120トンをリサイクルしました。

駅ビルやホテルにおけるごみのリサイクル

鉄道だけでなく、駅ビルやホテルでのリサイクルも重要な課題と考えています。大阪駅ビルのアクティ大阪ではテナントから発生したごみを分別回収しテナントごとに計量のうえ、食品ごみや段ボール、カン、ビンなどをリサイクルしています。こうした取り組みが評価され、平成20年度大阪市長表彰(ごみ減量優良建築物)に選ばれました。

アクティ大阪外観

アクティ大阪でのごみ計量

鉄道資材発生品のリサイクル

鉄道資材発生品には、事業活動により、車両や線路、建物、架線などの設備のメンテナンス時に発生する廃棄物と外部からの受託工事を含む駅や構造物などの建設にともない発生する建設系廃棄物(汚泥を除く)があります。
このため、車両の新製や建設工事において廃棄物を抑制する設計や工法を取り入れ、廃棄物削減に向け努力するとともに、発生品については再利用、再資源化など、リサイクルしています。また、建設工事においては、法令上の排出事業者は請負業者ですが、発注者の責務として、正当な処理委託経費の支払い、委託契約内容の確認、処理業者の定期的な確認を行い、排出事業者への指導を行っています。平成20年度は、22.5万トン発生し、そのうち21.6万トン(96.1%)をリサイクルしました。

鉄道資材発生品のリサイクル状況の推移グラフ
鉄道資材発生品のリサイクル状況(平成20年度)グラフ

レールとまくらぎの間で列車の衝撃を緩衝するために使用しているゴムパッドをチップ化し、踏切路盤材としてリサイクルしています。

踏切路盤材

きっぷのリサイクル

使用済みの乗車券は、正しく使用されているかチェックしたのち、製紙会社に送られ、トイレットペーパーや建材向けのパルプとしてリサイクルしています。

オフィスごみの削減

本社や支社で発生するオフィスごみのリサイクルに取り組んでいます。たとえば、本社ビルで発生したごみは2008年度81.4トンあり、分別回収の徹底を図り、そのうち63%をリサイクルしています。また、社内LANの構築や文書の電子化を進め、紙使用量の削減に努めています。さらに、プリンターのトナーなどリサイクル可能物品についてもリサイクルを行なっています。

リサイクルボックス

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